37 ジャンクの告白編



ポルトー「おい、ゴーストハンター!」



ジャンク「ん?まだいたのかお前」

ポルトー「俺はもうデル様の所には帰れない・・・・
     だから、お前がデル様を守ってくれ」



ジャンク「は・・・・」
ポルトー「俺はもうデル様の信頼を失っちまった・・・
     頼めるのはお前だけなんだ・・・・!」

ポルトー「昨日の夜、ウラジミールを見たんだ。
     アイツ絶対デル様に何かする気だと思う」



ポルトー「俺はお前の気持ちなんかどーでもいいんだ、
     デル様が幸せだったらそれでいい・・・!」

ポルトー「だから、お前が守ってあげてくれ・・・!!」




ジャンク「・・・・・・」

ジャンク(・・・・俺の気持ち・・・・・)





カセリン(ジャンクおにいちゃん、
     あのバンパイアのおねーちゃんの所に
     行くのかな・・・・)















ジャンク「俺の気持ち・・・・」



ジャンク「・・・・・チッ、
     そんなのもう決まっている」

ジャンク「認めたくないけどな・・・・」



ジャンクは、誰かを好きになる自分を認めたくなかった

今まで人間を嫌い、異形の者を嫌い、誰一人として他人を
信頼する事はなかったジャンク・・・・



だが、自分の心がこんなにかき乱されるのは初めてだった

認めたくない、認めたくないけど
彼女が頭から離れない・・・・




自分の心を、全てを支配する彼女・・・・・




会いたくてたまらなかった・・・・・














???「こ〜んば〜んわ〜〜」




シルバ「あれ、キースくん
    どうしたんだい?」

キース「やぁシルバくん、実はジャンクという人に
    会いに来たんだが、今日も空振りかな?」



ポルトー「アイツなら、さっき出て行きましたよ
     キーストーカー様・・・・」

キース「ん?その声は・・・・・」


キース「ポルトーくんじゃないですか!
    どうしてここに・・・・いや、その姿は・・・・」

ポルトー「はい、ちょっとした手違いで・・・・
     でも俺はもういいんです。
     デル様さえ、無事だったら・・・・・」



キース「そうですか・・・・」
シルバ「ところでキースくん、ジャンクに何の用なの?」

キース「えぇ、実は・・・・・・
    忘れました。」
シルバ「ふ〜ん、じゃあまたゲームでもしてく?」
キース「あ、いいですね〜」
ポルトー「キ、キーストーカー様?」



パッチ「・・・・・・・だから、誰?」










一方、デル様はポルトーがいなくなって落ち着かない様子

ウラジミール「どこに行く気だ、デル・・・」



デル様「んま!ワタクシがどこに行こうと
    アナタに関係ありませんでしょ!」

ウラジミール「ポルトーを探しに行くのか?」


デル様「!」


ウラジミール「可哀想にな、ポルトーも・・・
       ずっと付き従ってきたっていうのに
       こうも裏切られるとは・・・・・」

ウラジミール「どうだ、従者に愛想を尽かされた気分は
       ・・・・・・」


デル様「ムッ」


デル様「ポルトーは、そんな人じゃありません!」

ウラジミール「そう思っているのはお前だけだぞ、
       昨日の夜、ポルトーを街で見かけてな・・・
       もうお前の所になど帰りたくないそうだ」



デル様「アナタの仰る事など信じません!」

ウラジミール「フン・・・・・」



ウラジミール「もうお前の側には誰もいまい・・・
       後はあの男を始末するだけだな」












一方、墓地で仕事に専念するジャンク



ジャンク「・・・・なんか、つまらん」



ジャンク「フゥ〜〜〜」

ゴーストハンターの仕事がこんなにつまらなく感じる
のは初めてだった・・・・・


ジャンク「ダメだ・・・集中できない・・・・」







ジャンクは仕事に専念する事ができず、墓地で呆けていた

ジャンク「どうする・・・、どうしたらいい?」






ジャンク「アイツは・・・・この街にいたら危険だ・・・」

ジャンク「俺のせいで・・・・アイツが狙われている・・・・」






ジャンク「・・・・・・・」

デル様「・・・・あら?」



デル様「あ・・・あぁ〜〜!
    ジャンク様ですわぁ〜〜!!」

デル様「やはりここへ来ればあの方に会えると
    思っておりました!!」




ジャンク「あれ・・・・なんでお前がここに・・・・」

デル様「あ、あの・・・・ジャンク様・・・・」



デル様「お会いしたかったですわ!ウフ♪」

ジャンク(ヌゥ〜、一体どこまで俺の心を
     かき乱すつもりだっ!!)








ジャンク「もういい、こっちに来い!」

デル様「え、わっ!な、何をなさるの!?」



ジャンク「悪かったな、今まで・・・・
     心にもない事を言って・・・・」

デル様「え・・・、心にもない事・・・?」



ジャンク「別にバンパイアとか人間とかどーでもよかった・・・
     ただ、俺が誰かを好きに・・・・・・とか
     認められなかっただけだ・・・」

ジャンク「だから、お前を見ないようにしようとしたけど
     ダメだった・・・」



デル様「うふふ♪そうですよ、
    ちゃんとワタクシを見てくださいませ!」

デル様「ワタクシはいつだってアナタを見ております。
    ジャンク様はワタクシがお守りしますわ!」



ジャンク「なんで、お前が言うかな・・・」

デル様「うふふ♪だってワタクシが
    お守りしたいのですもの・・・」



ジャンク「わかった。じゃあちゃんと守れよ?
     お前は俺が守るから」

デル様「はい♪」













シルバ「ちゃちゃ〜〜〜ん♪」



シルバ「んちゃら♪んちゃら♪ちゃ〜〜〜」
















ウラジミール「貴様ら・・・・、何をしているっ!」



ジャンク「お前、いつかのバンパイアか」

ウラジミール「貴様は何をしているのかわかっているのか?
       その女は、貴様の忌み嫌うバンパイアだぞ!」



ジャンク「別に忌み嫌ってはいないが・・・・
     お前には関係のない事だ」

ウラジミール「関係ないだと?」


ウラジミール「貴様はやはり、あの時さっさと
       消しておけばよかった・・・!」

ウラジミール「貴様だけは・・・・!!」




ウラジミール「貴様だけはぁ〜〜!!」
ジャンク「いきなりかよ!」

ウラジミール「うるさいっ!
       いきなりはいつも貴様の方だろうがっ!!」



ボカスカッ






ジャンク「ったく、なんだコイツは」

ウラジミール「う・・・・く、クソ!」



ウラジミール「お、おぼえてろぉ〜〜〜!!」

結局、デル様を手に入れる事ができず、
ジャンクに負け、逃げ帰るウラジミール




ジャンク「なんだアイツは・・・・」

デル様「気にする事ありませんわ!」


(ざまあみろって感じですわ)













ジャンク「本当にいいのか?」

デル様「えぇ・・・・」


     
ジャンク「ポルトーの事なら心配するな、
     俺がこの街で世話になった奴の所にいる。」

ジャンク「アイツは最後までお前の心配をしていた」


デル様「そうですか・・・・」






ポルトー、今までありがとう)

そして二人は、この街を出て行った・・・・・














その頃、パッチ達は・・・・

パッチ「はぁ〜、結婚してぇなぁ〜」
シルバ「うん、ホント」




ジャンクが出て行った事など、知る由もなかった・・・