33 パッチの条件編


アジトに帰ってからヘッドは眠りについていた。



涼太「ヘッド、起きてくっさいよぉ〜」

ヘッド「スヤスヤ・・・・」



涼太「ヘッド、寝たフリしてもダメっすよ〜
   京子さんの事どーするんですか?」

ヘッド「・・・・・・・ス、スヤスヤ」


涼太「ヘッド!」



ムクリ


ヘッド「京子さんの事は関係ありません」

涼太「・・・ヘッド、俺達の事は気にしないでください。
   もう十分ですよ
   そろそろ京子さんの所に帰ってください・・・・」




涼太「俺達みたいなはみ出し者に居場所を作ってくれた
   だけで、俺ら嬉しかったっす。」

涼太「俺達のために、大切なモノ全部捨てて・・・・
   受け入れてくれて感謝してます。
   もう俺達、大丈夫ですから・・・・」



ヘッド「涼太くん・・・
    それはもう、僕は君たちにとって必要ないって
    ことですか?」

涼太「ち、違いますよ!
   そんなワケないじゃないっすかッ!!」


涼太「ヘッドは俺達にとって必要な存在ですよ・・・!
   でも、俺達のせいで何かを犠牲にして欲しく
   ないんです・・・」

涼太「今ならまだ取り戻せます・・・・!
   だからもう、大切な人を悲しませないで下さい・・・
   自分を・・・苦しめないで下さい・・・・!!」
ヘッド「涼太くん・・・・」



ヒロト「そ、そうです!
    僕たちヘッドに感謝してるんです!!」

ヒロト「だから俺達のせいでヘッドが苦しんでる姿は
    見たくないです・・・!」
ヘッド「ヒロトくん・・・・」


ハイネル「ヘッド・・・・
     俺達は涼太とヒロトの後に『HEAVEN』に入ったから
     何があったのかはしりませんけど・・・」

ハイネル「でも・・・・
     だから、俺達に我慢しないで下さい。
     俺達はどんな事があってもヘッドを信じてます!」
ヘッド「ハイネルくん・・・・」


 
ウィル「ヘッド、自分に嘘つかないで下さいよ。
    大切な人なら諦めちゃダメですよ〜!」

カク「そっすよ、ヘッド。
   京子さん程の女性、そうそういないんすから〜」



ヘッド「み、みんな・・・・!」うるうる

涼太「ヘッド・・・!」
ハイネル「ヘッド!」



ヘッド「みんな、ありがとう!」ガバッ

涼太「ヘッドーーーー!」


二人が抱き合うと他のメンバーも抱きしめあった



しかし、ヘッドが再び涼太と抱き合おうとすると
涼太は拒否ったのだった・・・・


涼太「いや、一回だけでいいです・・・」
ヘッド「涼太くん、もう一回」
涼太「ひえ〜〜〜」










翌日





昨日の事で悩んでいた京子は
パッチを呼び出す





パッチ「京子さん・・・」



京子「パッチくん」

パッチ「どうしたの、こんな所に呼び出して・・・・」



京子「えぇ・・・
   ちょっと海の見える所が良かったから・・・・」

パッチ「ふ〜ん・・・」






京子「・・・・・、
   あのね、パッチくんにお願いがあって・・・」

パッチ「ん?」




京子「・・・・田吾作くんを、止めてほしいの」




パッチ「え・・・・」
京子「こんな事頼めるの、パッチくんしかいなくて・・・・」

京子「昨日、アタナ達と争ってるのを見たの・・・
   パッチくんもどこかのギャングの人なんでしょ?」
パッチ「あ、うん・・・」




京子「田吾作くんがどうしてあんな事してるのか
   わからないけど、
   彼は人を平気で傷つけるような人ではないの・・・・」

京子「だから、止めてほしい・・・・」




パッチ「・・・・・・・・」






パッチ「・・・・・いいけど、
    一つ条件がある」

京子「条件?」
パッチ「うん」


パッチ「京子さんの言う田吾作、
    HEAVENのヘッドと闘って勝ったら・・・」

パッチ「京子さん、俺の彼女になって・・・」
京子「え・・・・」



京子「えっと・・・パッチくん、それって・・・」

パッチ「悪いけど、俺は無償で誰かに協力したり助けたり
    っていうのは嫌いでね。
    だから、京子さんが俺の彼女になるならいいよ」







京子「・・・・・・・・」






京子「・・・・いいわ。
   田吾作くん・・・いいえ、HEAVENのヘッドを倒して!」

パッチ「わかった。」










京子「・・・・・田吾作くん」

京子「私、もうアナタに会えないかもしれない・・・」

















ジャンク「・・・・んで、アイツらと
     やる事になったってわけか」
パッチ「うん。」

パッチ「お前ら手伝ってくれるよな?」
シルバ「えっ、お前らって僕も入ってんの?」
パッチ「当たり前じゃん」



シルバ「ま、今回はしょうがないか。
    パッチの輝かしい未来のために一肌脱ぎましょう
    かね〜♪」

シルバ「でもさ、パッチの相手って
    あのジャンクを殴って逃げてった人なんでしょ?」




パッチ「・・・・・・・・」

ジャンク「・・・・・・・・」





パッチ「ブハーーーーーッ!」

パッチ「クックック・・・・
    ちょ・・・・くるし・・・ププッ」
シルバ「あの人、ヘッドって呼ばれてたもんね」



パッチ「ちょ・・・シルバ笑わせんな・・・!
    思い出しちまっ・・・・グホッゴホッ」

ジャンク「・・・・・・・」




シルバ「ジャンク、昨日変だったよね
    何かあった?」


ジャンク「・・・・・・・・・・・なんもない」




パッチ「ハァハァ・・・・
    あ〜キツイ・・・・ゴホゴホッ」





パッチ「あーそーだったわ、アイツだったわ相手・・・
    こりゃ勝ったも同然だな♪」

パッチ「つーか、アイツら全員俺一人で
    やっつけれんじゃねぇの?」
シルバ「いや〜それはムリでしょ。
    後ろの方にゴツイ人いたし・・・・」
パッチ「あ、マジ?気づかんかった」



パッチ「でもヘッドがアイツなら楽勝だな♪
    こりゃもう彼女、既に俺の女に決定じゃねぇの?」

シルバ「まぁ、あのヘッドなら僕でも勝てそうだよね♪
    僕にやらしてよ」
パッチ「アホか、それじゃあ意味ねぇだろ!」


シルバ「パッチじゃなくても倒せれば誰でもいいんじゃない?
    そしたら彼女は僕のモノに〜♪」

パッチ「やめれ、彼女をお前の下品な輪の中に
    入れんなっ!」
シルバ「げ、下品ってなんだよ〜」



シルバ「ねぇジャンク、パッチがヒドイんだよ〜
    僕は下品じゃないよね?」

カセリン「下品」


シルバ「ゲヒ・・・・」
ジャンク「・・・・・・・」




カセリンの一言で、シルバは悲しくなった・・・