20 ヘッド動く編


カラーギャング「HEAVEN」のアジト




涼太「ヘッドぉ〜」

ヘッド「ん?なんでしょう、涼太くん」


涼太「ん〜と、実はッスねぇ
   この間話した爆弾魔ドン・パッチって奴いるでしょ?」
ヘッド「あ、カツアゲをしてた人ですね」

涼太「ソイツがッスねぇ、なんと女の子を
   誘拐したそうなんですよ〜」


ヘッド「な、なんですって!誘拐?」

ヘッド「まさかそこまで悪人だったとは・・・・
    なんということでしょう!」


ヘッド「それで?その女の子は無事なんですか!?」

涼太「それはわかりませんけど、
   たまに外に連れ出してるらしいんですよ。
   何考えてるんですかねぇ〜・・・・」



ヘッド「そうですか、ではよく連れ出す場所を
    調べてもらえますか?」

ヘッド「僕たちで悪人パッチから女の子を救出しましょう!」


涼太「わかりました。
   ヒロくんには俺から言っときます」

ヘッド「えぇ、お願いします」







土曜日、
パッチとカセリンは公園へ来ていた。
(カセリンにせがまれて嫌々)



パッチ「なぁ、お前何作ってんの?」
カセリン「パパ」

パッチ「え、ソレ俺?似てねぇ〜・・・・」



ヘッド「涼太くん達がお世話になった
    ドン・パッチという人は、あの人ですか?」

涼太「アイツです!隣に女の子もいますね」



パッチ「ちょっとどいてな、
    俺が手本を見せてやる」
カセリン「えぇ〜、パパ作れるの?」

パッチ「フッフッフ、任せなさい!
    壊すのは得意なんだ」
カセリン「え、壊す?」



パッチ「とう!」


ぐしゃ


カセリン「わ〜ん、パパ何すんの〜〜!」

パッチ「クックック、偽物は消滅あるのみ!」
カセリン「パパひど〜い!」


パッチ「お、なんだ?しぶといな・・・
    あちょぉ〜〜〜〜〜!」

パッチ「オラオラッ」



ここぞとばかりにメチャクチャにするパッチ

カセリン「パパ、なんか楽しそうだね・・・・」



パッチ「とりゃ!
    おっ、足が抜けねぇ!偽物に食われたぞ!
    うぎゃあぁぁ」

カセリン「・・・・・もぅいいよ、パパ」


パッチ「うおぉ、まだまだぁ〜!」

一人遊ぶパッチに、しらけてしまった娘



パッチ「ふぅ・・・もう帰るか」

カセリン「パパ、お手本見せてくれるんじゃなかったの?」
パッチ「ん、今のがお手本だよ
    お前も俺の娘なら他人の不幸を喜ぶ人間になれよ!」
カセリン「え・・・・・」




ヘッド「今の見ましたか、二人とも!」

涼太「大人気ないッスねぇ〜」
ヒロト「あの子かわいそう・・・・・」



ヘッド「当初の目的はあの女の子の救出です
    行きますよ、二人とも!」

涼太「はい」
ヒロト「はい」



パッチ「ん?」


パッチ「お、アイツ赤い服着てやがる!
    しかも後ろにゃこの間のボーズ共がいるじゃねぇか!」

パッチ「ぐひひ、この間の仕返しか?
    受けて立ってやるゼッ!」


ヘッド「あの、すみません」

パッチ「うぉっ、ビックリしたぁ〜
    いきなり近づいてくんなよ!」


ヘッド「あのですね、その女の子
    どうしたんですか?」
パッチ「はぁ?お前に関係ねぇだろ」

ヘッド「そうですか・・・・
    ではズバリ言いましょう!」




ヘッド「誘拐はいけない事ですよ」
パッチ「はぁ?」

ヘッド「ましてや、大の男が女の子を誘拐なんて、
    変態ですよ!
    今ならまだ間に合います。自首してください」



パッチ「はぁ?誘拐?俺が?
    何言ってんの、お前」


(・・・・なんかコイツの顔、ムカツク)



ヘッド「わかってます、わかってますよ。
    そりゃこんなに可愛かったら誘拐したくもなりますよ。
    しかし、しかしですね、この娘はモノじゃないんです!
    ちゃんと心があるのです。
    この娘も両親に会いたがっているはずですよ!」



パッチ(なんかコイツも俺を悪人扱いしてんな・・・・
    しかも、誘拐?
    ・・・・・・・誘拐したのか、俺?)


パッチ(あ、そうか・・・・
    そう言われれば、過去から誘拐してきた事に
    なるのか・・・・)



パッチ(両親か・・・・
    過去にコイツの本当の両親がいるかもしれないのに
    何、やってんだろ
    俺・・・・・・)





ヘッド「お願いです、自首してください!
    今ならまだ間に合います!」

ヘッド「行かないというのなら、
    刑務所に入る事になりますよ!」




パッチ「・・・・・・・・・・」




カセリン(・・・・なんでパパ、何も言わないの?
     アタシ誘拐なんてされてないのに・・・)

カセリン(アタシがパパに勝手についてきたのに・・・
     なんで・・・・
     なんでこの人、こんなにパパをいじめるの?)



カセリン「ちょっとこのサイバーメガネ!
     アタシのパパをいじめないで!!」

ヘッド「えっ、サ、サイバ?それにパパって・・・・」


カセリン「パパの事いじめたら許さない!」

カセリン「おじさんなんか嫌い!パパに近づかないで!!」


ヘッド「えぇ!そ、そんな・・・
    僕は君を救おうと・・・・」

ヘッド「それにパパって・・・・
    え?ホントに君のお父さんなの?」


カセリン「アタシのパパだもん!
     パパ、冷たいしイジワルだけど、
     アタシと遊んでくれるもん!」

カセリン「いつも嫌とか言いながら
     アタシのお願い聞いてくれるもん!」



パッチ(カセリン・・・・・・・)


ヘッド「ぼ、僕はそんなつもりじゃ・・・・」

ヘッド「ごめん、ごめんよ〜
    パパをいじめてたわけじゃないんだ〜〜」


カセリン「パパ、もう帰ろう!
     こんなおじさんほっといて帰ろう!!」

ヘッド「お、おじさんって・・・・」



カセリンの怒りを買ったカラーギャングのヘッドは、
ガクーンと落ち込み・・・・・・





カセリンはパッチの手を引くように
家に帰ろうとしている時だった・・・・





パッチ「なんか復讐もできなかったなぁ〜・・・」
カセリン「大丈夫だよパパ、
     アタシがフクシュウしといたからさ!」

???「あの、すみません」



パッチ「ん?」


???「私、人を探しているんですけど、
   米沢田吾作という人をご存じないでしょうか?」

パッチ「いんや、しらない」
???「そうですか・・・・」



パッチ「それにしても、古臭い名前の人だな・・・
    ホントにこの街にいるの?」

???「えぇ、この街に来ているのは確かなの・・・・」


パッチ「ふ〜ん、じゃあ見かけたら報告するよ
    君の名前なんての?」
???「桐生院京子よ、コレ電話番号。」

カセリン(あれ、パパやけに親切だなぁ〜
     どうしたんだろ・・・・)



京子「こんな夜遅くにごめんなさいね」

パッチ「いや、なんかわかったら連絡するよ」
京子「えぇ、ありがとう」


京子「それじゃ・・・・」

パッチ(あぁ〜行っちゃったぁ〜〜)
カセリン「・・・・・・」



パッチ「今の、キレイな人だったなぁ〜
    桐生院京子さんか・・・・」

パッチ「米沢?どうゆう関係だろ・・・・」



パッチ「苗字が違うから姉弟ってわけじゃなさそうだな〜」

カセリン「パパ・・・・」




カセリン「パパ、もしかして・・・・・」




京子(田吾作くん、どこにいるのかしら・・・・)

京子(早く会いたいわ・・・・・・・・)




京子(会いたい・・・・)