第18話「関係は家族」






「うぅ〜さみ〜〜!
今日は今年初の大雪らしいぞ!!」

「さっき、学校から電話あったよ。
今日はこの大雪で学校休みだってさ〜」


「おぉ、良かったなぁ」





「休みなのはいいけど、
この雪じゃあどこも行けないよね」

「予報じゃ、昼過ぎから晴れるって言ってたぞ」



「へぇ、そうなんだ。
じゃあギルバート、晴れたら冬祭りに行かない?」

「え、祭り?」


「うん。」





「・・・・まぁいいけど。」

「じゃあ行こうね!」











そして雪が止み、冬祭りに来た二人。







「へへ〜、スケートやりたかったんだ〜、アタシ♪」

「ギルバートも見てないで、やんない?」


「俺はいいや。」





「何よ、せっかく来たのに・・・って、うわっ!」ヨロッ

「ひゃあ〜!転んじゃうぅ〜!!」


ヨロヨロ




「あわわ、難しいな〜スケートって・・・・」

「ねぇ、ギルもやろうよ〜〜!!」



「プッ・・・・・」








「・・・・しょうがねぇな」

「お前、さっきから見てっけどヘタ過ぎだぞ」


「だって、初めてなんだよぉ〜」




「はわー!転ぶ転ぶ!!」

「おぉ、意外に面白いな」スィ〜




「おわっっと・・・・あ、あぶねっ」

「ほら、難しいでしょぉ〜?」




「おい、ちょっと待てよ」

「なによ。今集中してんだから、話しかけないで!」





スィ〜〜




「あ、アンタ、上手くない?」
「なんかコツ掴んできた・・・」

「ウソ・・・、ちょっと教えてよ」




「こんなのバランスだろ?」

「あ、なによー。知った風な事言っちゃってさぁ〜」


「俺だって初めてだっての」




「手ぇ貸してよ」
「えっ!」

「早く!!」
「(うおっ、ドキドキする)」






「へへへ、楽しいね〜」

「(俺はドキドキする)」







「知り合いいなくて良かったね!」

「あ、あぁ・・・
(ヤベェ、顔が近い・・・心臓が口から出る)」










「ほらギルバート、滑ってよ」

「わ、わかってるって」









「・・・・ん?」

「あそこで滑ってるの、カセリンか?」



「隣にいるのは・・・・・・、っ!!」

「えっ!?あいつギルバートじゃないか!!」





「そういや前に、カセリンにあいつの事聞かれたっけ」

「なんだ二人はできてたのか〜」



「あ、だからカルロスと別れたのか」

「あ・・・・」



「(い、今キスしなかったか!?)」


勘違いするボブ





「(そーかそーか、こりゃいいモノ見ちゃったな)」

「(それにしても・・・・・)」




「(カセリン、楽しそうだな〜)」

「あの二人が付き合ってる事、ローレル知ってるのかな?」



「教えとこ。」


彼はボブ・ニュービー
3話で出てきた、カセリンの友達のローレルの彼氏である。





「うわっ」

「ちょ、ギルバート!いきなり放さないでよ!!」





ドテッ ベチャ・・・・



「いってー・・・」
「・・・・・・」



「おいっ、大丈夫かよ」

「いったー・・・・、
もう、ギルバートが放すから〜」




「・・・・・、プッ・・・ク・・・ハハ!」

「ちょ、ギルバート、何笑って・・・フフ」




「お前だって笑ってんだろ」
「ギルバートが笑うからでしょ!」

「クク・・・・あー、休憩休憩。」
「上行って、何か飲もうか」








売店





「何飲もっかな〜」




「先、行ってんぞ〜」

「!!」



「・・・・・今の、ギルバートだよな?」

「アイツ、なんでまだ町にいんだ?」



「まってよ、ギルバート〜〜」

「・・・・・・・・・」



「誰だ、あの女は・・・
ギルバートの女か?」

「ッチ、どーなってんだ・・・・」




売店で働いてるのはギルバートの実父、ロドリゲスである。
どうやらギルバートは気づかなかったようだ。











ゴクゴク・・・


「あ〜あったけぇ〜〜」



「あ〜ホント、生き返る〜〜」

「ババァか、お前は」


「アンタはジジィね。」







「ねぇ、ギルバート。
家帰ったら、雪だるま作ろうよ。」

「え〜、まだ遊ぶのかよ」



「だって明日は学校じゃない。
せっかく雪積もったんだから、まだ遊ぼうよ〜」

「あーわかった、わかった。」


「やった!」

















「また、雪降ってきたね〜」



「ねぇ、どの辺に雪だるま作ろうか」

「えー、吹雪いてんのにマジで作んの?」


「当たり前じゃん!」




「じゃあ、この辺にしよっか。
・・・・・・よいしょっと」

「おい、素手かよ〜
さみ〜〜〜〜」



「ほら、ギルバート。
ちゃんと作ってー」

「はいはい。」



「さみさみっ!
手が凍るって」

「手袋買いに行けば良かったね」



「よいしょ・・・・っと」パンパン




「とう!
頭乗せたよ〜〜」

「もうコレでいいんじゃね?」



「ちょっと待って、
顔とか作るから」

「顔・・・・?」



「おお、完成したな!」

「この雪だるま、クリスマス時期によく見る
スノーマンみたい・・・」





「ふ〜〜ん・・・」

「どうしたの?ギルバート」



「この鼻についてんの、何?
ニンジン?」

「その辺にあったの、適当につけただけだよ」







「・・・・コレ、
壊してもいい?」

「え・・・・・?」





「オラァ!!」ガスッ

「ブッ」


ギルバートはせっかく作った雪だるまを
いきなり殴りまくって、破壊し出した。
その雪しぶきはカセリンの顔にモロに降りかかったのだった。









ゴシャッ・・・・





「ちょ、ちょっとギルバート!
何すんのよ〜〜〜〜!!」

「あースッキリした。
・・・・・あ、犬だ」



「もうっ!せっかく作ったのにぃ〜〜!!
ヒドイよ〜〜〜!!」

ザクザク・・・・



「もう!聞いてんの!?」ジロッ




ザクザクザク・・・・

ギルバートはカセリンそっちのけで、
犬に向かって走り出した



「クゥ〜ン」

「お前、こんな雪の日にどうしたんだ?」


「クゥ〜ン(何か食べ物を・・・)」




ザクザク・・・・

「あ、行っちまった・・・・」





ザクザクザク・・・・

「あれ、どうしたんだ?」




「も・・・、いいよ」

「(なんか、怒る気も失せた・・・)」



カセリンは、ギルバートのマイペースさに
少し呆れたのだった・・・・。












学校






「カセリン、昨日冬祭り来てたろ」

「えっ、うん・・・。
(も、もしかして、バレたかな?)」




「カセリンの隣にさ、あのギルバートが居たけど、
もしかして二人は付き合ってるの?」

「えっ・・・!?」


「えー、何ソレ。
カセリンそーなの?」





「そんなワケないじゃん。やだなぁ〜〜」

「変な事言わないでよぉ〜〜
ギルバートはそんなんじゃないよぉ〜」



「えー、でもすっごく楽しそうにデートしてたじゃん。
てっきりカルロスと別れたのは、アイツの事好きだからかと
思ったんだけど・・・」

「え・・・?カルロスくんとは関係ないよ・・・」





「じゃあギルバートは?
そんなんじゃないのにデートしてたのか?」

「デートしてたワケじゃあ・・・・」




「じゃあなんだよ?
付き合ってもないのにキスしてたのか?」

「えっ!?キ、キス!?
してないよーー!!」




「や、やだなぁ、ボブ。
見間違いだよぉ〜、アハハ・・・」

「じゃあカセリンはギルバートの事、
どう思ってんの?」


「え・・・・」





「ど、どうって、別に・・・・
お、弟・・・かな・・・」

「はぁ!?
お前ら一体どうゆう関係なんだよ・・・」




「(どうゆう関係って・・・・・
か、家族・・・・だよね・・・?)」

「(デート・・・?
アイツは、そうゆうんじゃないよ・・・・たぶん)」




いきなりの問いに戸惑うカセリン。
とっさに"弟"と言ってしまったが、自分がギルバートを
どう思っているのかわからなかった・・・。