第16話「恋愛相談のようなモノをされる男」


「おじぃさん、こんな所にいたんデスネ〜」

「もう秋じゃのぉ、フォッフォッフォ」






「クゥ〜ンクゥ〜ン(にーちゃん、朝じゃど〜)」

「うぅ〜ん・・・・」





「ふあぁぁ〜、もう朝か」





カチャ

「あ、ギルバートおはよう」





「お前ら、今日何の日か知ってる?」

「お化けの日でしょ?」




「お化け?」

「ハロウィンの日よ」







「というワケで、準備はいいわね?」





「よくねーよ!
なんで俺がこんなモン被らなきゃなんねーんだよ!!」

「アンタ、ハロウィンは仮装して子供が大人から
お菓子をもらいに行くお祭りなのよ!?」



「しらねーよ。ハロウィンなんかやった事ねーし」

「一年に一度だけのお祭りなんだから楽しも!
さぁ、行くよー」




「はぁ、マジでこんな格好して外出るワケ・・・・?」

「大丈夫大丈夫、誰もアンタがギルバートだなんて
わからないから!」




「・・・・・まぁ、いいけど」






「まずはこの家からね!
おじさん、いるかな?」



「トリック・ア・トリート!」

「はいはい、お菓子じゃよ〜」
「ありがとう、おじさん♪」




二人は、ハロウィンを楽しんだ。









その頃ドン家では、




「ねぇ、おじさん。
お菓子ちょーだいよ」

「はぁ?お菓子なんかねーよ。」



「なんでだよ〜。今日はハロウィンなんだよ?
お菓子ちょーだいよ〜!」

「なんてガキ共だ、大人から食いモンせしめよーだなんて
お前らの親はどんな教育してんだ?」




などと言いながら、しぶしぶお菓子を恵んでやった
パッチであった。







「ありがとう、おじさん!」




こうして、ハロウィンは終わった。














翌日、





カチャ




「ワゥ〜ンワフフ〜ン♪(くすぐったいワァン♪)」

「ここか?」
「ワフ〜ン♪(そこそこぉ〜♪)」



「・・・・・・・」




「ムフ〜ン♪アフンアフン♪」

「フィニー、気持ちいいか?」
「ワフン♪(にーちゃん、サイコーじゃわぃ♪)」



「あのさ、ギルバート。
ちょっといい?」

「ん、どうした?」



「あのさ・・・・、この間友達とプールに行った時に、
『カルロスと別れたんなら、俺と付き合って』
って、友達に言われちゃってさ・・・・」

「ねぇ、どーしたらいいと思う?」









しら〜〜〜〜〜〜



「クゥン(こ、こりゃイカンわい!
ワシ、退散退散!!)」








「・・・・・ねぇ、どーしたらいいと思う?」

「・・・・・お前、一緒にプール行ったの
男だったの?」


「うん。」





「あのね、三人ともお金持ちなんだ。
だから悩んでてさ・・・・」

「さ、三人!?」




「そうなの!すごいでしょ?
アンタが前に「いつか現れるよ」って言ってくれたでしょ。
三人も現れちゃったんだよー!」

「よ、よかったね・・・・・」



「うん!これで将来安泰だよね!」








「安泰ね・・・・。」

「・・・・で、三人って誰?」





「えっとね、ダラスとリコと、マクシマス。」

「(あー、あのぼっちゃん達ね)」






「・・・・で、誰にすんの?」

「うーん、それなんだよ。どーしよう?
みんなお金持ちだから、どれ選んでもみんな一緒でしょ?」


「はぁ?」




「だって、みんな友達だもん。
一人なんて選べないよ」

ガクッ・・・・・




ギルバートは「コイツ、バカかな」と思い、
ガクッと肩を落とした。








「あー・・・、友達はわかったから、
誰が一番好きなの?」

「(俺にこーゆう事言わせんなよな〜〜)」





「い、一番・・・?」

「・・・・・・・・・・」






「・・・・・・・・・・」







「・・・・・・・」

「・・・・・か、カセリンが、
まさかこんなアホだったとは・・・・」




昔はマセたガキだったのに、
肝心な部分はまだ子供か・・・・と、思うパッチであった。












ガタ・・・・・









「カセリン、
どこに行くんだ?」



「えっ・・・(ドキッ)」

「(は、初めて名前呼ばれた気がする・・・・ドキドキ)」



「う、うん・・・・。
ジムに行こうかと」

「ふ〜ん。俺も行く」





「(また変な虫つくとメンドくせーし)」







「おい、待てって。
一人で行くなよ」

「う、うん・・・。
(なんで今日はついてくるんだろう・・・・)」









学校の横にある、ジムとして使われている体育館






「はぁはぁ、お前よくここ来んの?」

「え?うん、よくここでトレーニングするんだ」




「うわっ」ガクッ

「ハハッ、それで成果出てんのか?」




「ちょっとすべっただけだってば!」

「ハハッ」







その頃、家では―――




「ホッ、ハッ!」ガシャコンガシャコン

「バウバウッ(うるさいんじゃけど)」