第1話「パッチのモンスター創造」


ここは言わずと知れたリバービューという町。





この町には、ドン・パッチという発明家と

娘のカセリンが住んでいる。



父のパッチは公共物破壊を繰り返し、
度々爆発音を町中に轟かせては、人様に迷惑をかける
町中のやっかい者であった。








「むにゃむにゃ・・・・」




パッチを毎朝起こす事が、ペットのフィニーの日課である。





「ワン!(ダンナ、朝ですぜ!)」






「ワンワン!(ダンナァ〜、起きてくっさいよ〜)」

「む、もう朝か・・・」




「クゥ〜ン(ダンナ、また今日も朝から発明をするん
ですかい?)」

ここの所、パッチは何かに憑りつかれたように
発明に熱中していた。






夜遅くまで発明の作業をし、朝起きたらすぐ発明に
取り組んでいて、カセリンが食事を持ってこなければ、
食事も採らずにいたのだった。

「(ダンナ・・・・
最近ワシが部屋の中でもらしていても、
怒るどころか気にもしてくれんようになったわ・・・
ワシの声、聞こえとるんじゃろうか・・・)」







ガタ・・・

「ふぅ、メシだけは取れとカセリンに言われてるしな・・・」



「さて、食ったら続きをやるか・・・」

「・・・・(お嬢も心配しとるからな、
ワシがダンナを見張っとかないといかんわい)」




そして、今日も発明の作業が始まった。







「パパ、今日も発明をしてるのかな?」

「また食事取ってなかったらどうしよう・・・」




「おはようフィニー、
今日はパパちゃんと朝ご飯食べてくれた?」

「ワン!(食べてくれやしたぜ、お嬢!)」





カセリンが学校に行く時間がやってきた。



「やばっ!もうバス来ちゃった!」

「行ってきまーす!」




カンカンカンッ

「パパ、行ってきます」



「ここをこうして・・・・よし・・・・次はこのプラグを・・・・」

パッチは作業に集中していて、カセリンの声さえ
耳に届いてはいなかった。






カセリンは、それがとても寂しく感じていた・・・。






二人だけの家族、会話もなく、数日が過ぎた頃・・・





カセリンが学校へ行ってる間に、事は起きた。






「後はここをこうして・・・・」






パッチがとうとう今世紀最大の大発明、

シム・ポットを造り上げたのだ。







「ヤッター!完成だーーーー!!!」

「・・・・ココハダレ?アナタハ・・・ドコ?」



「お前は俺が作った俺の息子!名前はティムだ。」

「てぃむ・・・?ワタシハ、アナタノ 息子ナノデスカ?」



「トイウ事ハ、アナタハ ワタシノ オ父様ナノデスネ。」

「コレカラ ヨロシク オ願イシマス。」



「ワンワンワン!(なんじゃワレ、変な格好しくさって・・・・)」

「オウ!ナンデスカ、コレハ?」


「ペットのフィニーだよ」



「ホウ、コレハ カワイイ デスネ。
ワタシハ、てぃむデス。ヨロシク、ふぃにー」

「クンクン(なんか変な臭いのする奴じゃな?)」









「ただいま〜」



カセリンが学校から帰ってくると、ティムはトレーニングを
していた。

「うわっ、な、なにこれ!?
パパ!パパ〜〜〜〜!!なんか変なのが家に
いるよ〜〜!」




「アナタガ かせりんデスカ?
ワタシハ あなたノ兄、てぃむト申シマス。
以後、オ見知リオキヲ」

「はぁ?兄!?」



「そうなんだカセリン、聞いてくれよー〜〜!」

「パパ、なんなのアレ?」



「俺はとうとうやったぜ!
宇宙の神秘を発明したんだ!!」

「宇宙の神秘?」


「あぁ!」




「パパがずっとここ何日か憑りつかれたように作ってたのは
コレなの?」

「あぁ!」



「コイツはシム・ポットと言ってな、
ロボットだけどシムと同じように生活できるんだぜ!」

「それに、ケツに穴があってな、
そこからトイレで廃棄物を出したりするんだぜ!」


「パ、パパ・・・・下品・・・・」





「さっき、このシム・ポットが兄とか言ってたけど・・・」

「あぁ、お前の兄のティムだ。」


「兄・・・・」




「ヨロシク、かせりん。
ワカラナイ事ガアッタラ、コノ兄ニ オ聞キナサイ。」




「あたしより遅く生まれたくせに兄貴づらすんな!」

「うんうん、さっそく仲良くなったか〜!
やっぱ兄妹だなぁ〜。
待ってろ、すぐに姉か妹も作ってやるからな♪」





パッチは今度は妹シムポットを作ろうと発明に励むのだった。