第十八話「ブライス」
チョウとプレジャ、二人は同じ町に住んではいるがあれから会う事はなく、
時だけが過ぎて行き、プレジャは誕生日を迎えた。
「フフ、やっと大人の仲間入りね♪」
プレジャは楽器を演奏するのが好きなので、音楽の道に進む事にした。
そして、アールグレイの誕生日もやってきた。
リフリーに嫉妬したり、グレたりと色々あった子供時代・・・・
アールグレイもやっと子供からティーンに成長したのだった。
「なんか、太ったなお前・・・・」
リルがシラクに二股をされていた時から、かなり日が経った頃、
偶然、委託売買店でシラクと出会う。
「ったく、おせぇじゃん、バニー・・・・」
「え・・・・、もしかして、シラク・・・・?」
「久しぶりだなぁ〜!最近どーしたんだ?連絡ねーじゃん」
「連絡って・・・・」
「シラク、お待たせ。」
「あら、リルじゃない。こんな所で会うなんて奇遇ね」
「あ、じゃあまた今度な、リル。」
「やめて!アタシ、二股するような人と会う気はないわ!!」
「あ?何言ってんだ?」
「わかってるのよ、二股されてたって事は!!
アンタとは金輪際会いたくもないわ!!」
「はぁ?二股?冗談じゃねぇ!!」
「なんか勘違いしてねーか?
俺がお前みたいな冴えない女と付き合うかっての!!」
「会いたくないだぁ?生意気言ってんじゃねぇよ!!
俺が会ってやってたんじゃねーか!!」
「っち、こんなつまんねー女だとは思わなかったぜ!
無駄な時間過ごしちまったな〜!」
「・・・・・・・」
リルは、シラクの言葉にショックを受け、
悲しくなって何も言えなくなってしまった・・・・。
夜、
「そう・・・だよね・・・・、
こんな釣りばっかしてる女なんかつまらないよね・・・・」
「色気もないし・・・・顔もカワイイわけじゃない・・・・」
「会ってやってた・・・・か・・・・
面と向かって言われると、さすがにショックだなぁ・・・・」
「・・・・・アタシって・・・・なんなんだろう・・・・
こーゆう時も、池にしか来る処がないなんて・・・・」
「アタシなんか・・・・・
ここにずっと居たって、誰も探す人なんていないんだろうな・・・・・・」
リルが池に来てから3時間が過ぎた頃・・・
「ワンワン!」
「どこの犬かしら、首輪してるから誰かの飼い犬よね?」
「フフ、カワイイわね〜
迎えに来てくれたのはキミだけか〜」
「ワン!」
そして、リルは突然現れた犬と夜明けまで遊んでいた。
「クゥン」
「どこ行ってたんだ、ブライス?」
グゥ〜〜〜〜〜〜
カタ・・・
「ブライス、今まで何してたんだ?」
「クゥン」
「さっきの娘と遊んでたのか?」
「ズルイぞ〜〜、このオマセさんめ〜〜〜」
「ワン!」