第十六話「ダイエットと誘拐犯」

ボーガン家



ミスティーは昨日から姉のネルに口を聞いてもらえずにいた。




「お姉ちゃん」

「・・・・・」




「お姉ちゃん!」

「・・・・・・・」



「お姉ちゃん、まだ怒ってるの?」

「・・・・怒ってない」





「怒ってるじゃん・・・ボソ・・・」

「・・・・・・」






「あのさ、お姉ちゃん・・・・」

「アッサムさんの事は、諦めた方がいいよ・・・
その・・・付き合ってる人がいるからさ・・・」



「なに?アンタと付き合ってるからとか言いたいわけ?」

「ち、違うよ!
アタシじゃなくて・・・・」




「じゃあ、誰なのよ・・・」

「そ、それは・・・」


「アンタの言うことなんて信じない・・・」




「お、お姉ちゃん・・・・!」





「だって・・・」



「相手が男なんて・・・・・」

「そんなの言えるわけないじゃん・・・・・」















一方、ハレー家では・・・



「・・・・・プレジャ姉さぁ〜・・・・」

「なによ」








「・・・・・・・・太ったんじゃない?」






「な、なんですって・・・・!!」

「いや〜なんか最近、全体的に太いような・・・・」









そのあと、アッサムはプレジャにボコボコにされた・・・。










「何よ、全体的に太いですって?失礼しちゃう!」






「どこがよ!全然イケてるじゃない♪」

「ほら、こんなにスリム♪足だって細いし〜・・・・」






「・・・・・・・・でも」

「やっぱちょっと、太ったわよね・・・・」

















「・・・・まったく、失礼しちゃうわ!」

「太った?だって・・・・」



「アイツ、女の子の扱い方がわかってないわよね〜」

「今度また言ったら、ただじゃおかないんだからっ!!」ブツブツ・・・









そして、毎日ジョギングをし始めたプレジャだった・・・・・。











翌日、



「今日は美術館まで行こうかな〜♪」








ジョギングしながら美術館まで来たプレジャは、

そこで、とんでもない男と出くわしたのだった。






「・・・・あら?」

「あの制服、うちの学校の生徒だわ」




「休日に美術館に来るなんて、心が神秘的な人に違いないわ♪」

「ん?あの人、どこかで見たコトあるような・・・・」





「どこだっけ・・・・?」






プレジャを誘拐未遂した三人組の一人、
チョウが美術館に入っていくのを見かけるが、

プレジャは誰だか思い出せずにいた・・・・。




「・・・・・・・・・あっ!!」

「思い出したわ!!あの男・・・・!!
私を誘拐した奴らの一人じゃない・・・!!」




「そんな奴が美術館に来るなんて・・・・」

「まぁいいわ、なんであんな事したのか問い詰めてやる・・・!!」












後をつけ、美術館に入っていくプレジャ・・・・




「どこに行ったのかしら・・・・」





「あっ、いた!!」




「アイツだわ!!」ダッ















絵画を眺めているチョウに、静かに近づくプレジャ・・・・





「あの・・・・」

「・・・・・・・・」



「あのっ、すみません!」

「・・・・・・・・ん?」





「うわっ!」

「お前・・・・なんでここに・・・!!」





「それはコッチのセリフよ!」

「アンタ、私を誘拐した人よね!そんな人が美術館に来てるなんて・・・・
どーゆうつもりよ!!」




「フン、いいだろ別に」

「アンタ達のような人間が、
そんな神秘的な心を持ち合わせてるようには見えないんですけど!」



「俺はアイツ等とは違うの!
お前を誘拐した時だって、俺はやめとけって言ったんだぜ!!(言ってないけど)」

「でも、結局加担したんでしょ?」」


「う・・・・」




「ホ、ホントだって!
俺は誘拐する気なんてなかったんだって・・・・!!」

「信じられないわね!
とにかく、警察行きましょ!」



「なんでだよ!結局未遂で終わったんだからいいだろ!!」

「ふざけんじゃないわよ!!世間が許しても私は許さないわよ!!
アンタ達のせいで私がどんな目に遭ったか忘れろって言うの!?」




「じゃ、どーしろってんだよ・・・・」

「だから警察行って自首しなさいよ!
何?慰謝料払ってくれるって言うなら許さなくもないわよ?」




「冗談じゃねぇ!アイツ等がやった事だ、俺は関係ねー!!」ダッ

「あっ、ちょっと!!」









「待ちなさいよ!」

「わ〜〜〜〜」



そして、プレジャはどこまでもチョウを追いかけて行き・・・




「わ〜〜〜、もうムリムリ!」

「捕まえたわよ!!」





プレジャはチョウを捕まえ、慰謝料を払う事で不問にすると約束した・・・。