第八話「ズルズルのドロドロ」

数時間前の事だった・・・・

セレブのパーティーで酒が入ってたためか
話が盛り上がっていて・・・・・・



いつの間にか、二人はパーティーを抜け出し
二軒目に行こうとしていた。

「あの、テリーさん。どこに行くんですか?」


「この町で行くって言ったら一つしかないじゃない」

「・・・・・・?(どこに行くのだろう)」





―――赤いランデブー―――


「ここよ、ここ。」

「ここは・・・・・飲み屋?」



「やっぱアタシは、こうゆう所の方が性に合ってるのよねぇ〜」

「テリーさん、まだ飲むつもりですか?」



「当たり前じゃない、セレブのパーティーなんて初めて行ったけど
あの雰囲気はあんまり好きじゃないわ!」

「そうだったんですか・・・」



「ジェフェリーさんは、あーゆう所はよく行くの?」

「ジェフェリーでいいですよ」
「あら、じゃあ私もテリーと呼んで!」


「実は私も、あーいう場は初めてなんですよ。
父の代わりに出席したんですけど、緊張してしまって・・・・」

「あら、そうだったの」
「でも、テリーさんのおかげで・・・・」


「テリーと呼んで!」
「あ、はい・・・・」

「ところで、ジェフェリーは結婚はしているの?」


「いえ、結婚はまだ・・・・
しかし、お付き合いをしている女性がいまして・・・・」

「(・・・・なぁ〜んだ、相手いるのか。
ま、それでもいいけど)」


「父の友人なんですが、歳が離れている上に
子共が産めない体なんですよ・・・・」

「ビジン家の子供は私しかいないので、結婚したら後継ぎが欲しいのですが・・・・
このままでは養子を取る事になるかもしれないですねぇ〜」


「(・・・・別れればいいじゃん・・・・)」

「(って、そうゆうワケにもいかないか・・・
父の友人じゃね・・・・)」


「それじゃあ、その人と結婚するのかしら?」
「えぇ、そうなるかもしれないですね・・・・」

「(フフフ、このままズルズルのドロドロの道に進ませるのもいいわね・・・。)」


「(う・・・・眠くなってきたな・・・・)」

「(いつ緊急の呼び出しがくるかわからないし、
もう帰らなくては・・・・・)」



「もう遅いし、そろそろ上で休みましょうか。」



「え・・・・・!?」

「さ、行きましょ」












「・・・あ、あのテリーさん・・・・?」



「テリーと呼んでって言ったでしょ!」

「は・・・し、しかしテリーさん、この部屋は・・・・」


「今日私達が泊まる所よ。」



「な、何を言ってるんですかテリーさん・・・・」

「何って・・・・ここで寝るって話でしょ。」


「さぁ、一緒に寝ましょ!」ガバッ

「わわわっ、や、やめてください!私にはルーシーという女性が・・・っ!!」


「先にチューした方がいい?」

「ひいっ」


「や、やめたまえ。
君はこんな事を軽々しくするような女性ではないハズだ」

「(アタシのなにを知ってるって言うの!?)」



「・・・・アタシ、本気なのに・・・・ヒドイわ」

「え!?」


「初めて会った時から運命を感じていたの・・・・
(なんちゃってね、我ながらクサイわ)」

「う、運命・・・!?て、テリーさん・・・・・」


「アタシの事、キライ!?」

「え!?そんな・・・す、スキですよ!!
しかし私にはルーシーという女性が・・・」


「アタシとその女とどっちがスキなのよ!?」

「は、い、いえ・・・・テリーさんとはまだ会ったばかりですし、
ルーシーは私が幼少の頃からお世話になってますし、
どっちと言われても・・・・・もごもご」



「あーーもう、じれったいっ!!」ドスッ

「うっ・・・・・」


バタッ





ジェフェリーはミゾオチに一発入れられてしまい、気を失った。















そして現在、






「あの男、アタシを置いて帰ったわね!」









自宅に帰り、心を落ち着かせさっきの出来事を整理しているジェフェリー

「・・・・・・やはり私は、あの女性としてしまったのだろうか・・・」


「・・・・・ニャ〜」



「昨日の事を覚えていないなんて・・・・
どうしよう、ライネルくん・・・・」

「ニャ〜」


「はぁ・・・私はなんと愚かな事を・・・・・」

「いや・・・やはりどんな理由であれ、
彼女以外の女性とベットを共にしてしまったのだから
ケジメをつけなくてはなるまい」


「ニャウニャウ」













そして、ジェフェリーの彼女であるルーシーをレストランに呼び出した




「ジェフェリーさんから連絡を下さるなんて感激ですわ!」

「・・・・ルーシーさん、申し訳ありません」


「こんな事になって、どうお詫びをすればよいやら・・・・」

「まぁ、どうなさったんですかジェフェリーさん」





「実は・・・・・」

「ルーシーさん、私と別れて下さい」





「え・・・・・・・・、やはり私では歳が離れてるから
お気に召しませんか?」

「いえ、ルーシーさんに不満などありませんよ!
これは私の不始末と言いますか・・・・ふしだらと言いますか・・・・
とにかく、私の至らなさによって招いてしまった事なのです。」



「申し訳ありません・・・・
こんな事になってしまって・・・・」

「こちらを見て下さい、ジェフェリーさん。」


「そんな・・・・・・・
私なんかアナタを見る資格はありません」



「そんな事言って、本当は私の顔を見るのが嫌なんだわ!
ひどいわ〜〜〜〜〜〜」ガタッ

「あっ、ルーシーさん!」








「・・・・・ルーシーさん、すみません」


「アナタを悲しませるなんて、私はサイテーな人間です。」

「私の事は忘れて、幸せになって下さい・・・・。」




















―――数日後―――




「はぁ〜・・・・」



「・・・・ん?」

「あそこに座っているのは、この間アタシを置き去りにしたあの男だわ!」


「フフフ、彼女がいるとか言ってたけど、
このまま終わらせるのは惜しいわよね」

「この町で、将来有望そうでまだ結婚してない若者なんて
そうそう見つからないもの!」


「それに、何もなくてもアタシとベットを共にしたんだから
少しは意識してもらわないとね!」

「上手くいけば、横取りなんて事も・・・・ムフフ」




と、言ってジェフェリーに話しかけるテリー

「はぁい!
この間は楽しかったわ!」



「ん?君は確か・・・・・」

「弟に非道な仕打ちをするお姉さんじゃありませんか」


「君のような人と話す事などない!
近寄らないでくれたまえ」

「・・・・・、アンタこの間アタシと寝た事覚えてないの?」



「はっ!?な、何を言ってるんだ!私は君となど寝ていないぞ!!
私が寝たのはテリーという美しい女性だ!!」

「アタシがそのテリーよ」


「はぁ!?何を・・・・
冗談はやめたまえ!」



「そうよね・・・。二人とも酔っていたんだもの
あの夜の事は遊びだったのよね・・・・・クスン」

「く、クスン!?
い、いや・・・・え!?本当に君が・・・・あのテリーさん!?」




「わからなくても無理ないわ!
あの時はセレブのパーティーだからっておしゃれして行ったんだもの」

「でも言ったわよね、小説を書いてるって」


「や、やはりアナタがテリーさん・・・・」



「アナタがあの女神のような美しいテリーさんだったなんて・・・・」

「そうとは知らず、私はなんて失礼な事を・・・・」



「(フフン、アタシの美貌を思い知ったか!)」

「(・・・・っという事は、私はこの女性と一夜を共にしてしまった事に・・・・)」



「あ、あの・・・
私は本当に君と・・・・いや、テリーさんと寝てしまったのでしょうか・・・」

「えぇ、そうよ。(ただ一緒のベットで寝てただけだけどね)」



「いいのよ、わかってるわ。
彼女がいるんでしょ?」

「子供ができてたとしても、一人で育てるから
アタシの事は気にしないで!(なーんてね)」



「・・・・えっ!?
い、いい今なんて・・・・・」

「アタシの事は気にしないで・・・・」


「い、いや、その前・・・・・こ、子供って・・・・???」
「もしもの話よ(ニヤリ)」










「・・・・・あれは、ジェフェリーさん。」




「隣にいるのは・・・・・・」

「もしかして、あの女が私からジェフェリーさんを奪った女!?」












「あ、あんな小娘に私のジェフェリーさんを・・・!!」

「許せないわ!」




見てわかると思うが、ルーシーはジェフェリーの元彼女であり
老婆であった・・・・。


















「ひ、一人で育てるって・・・・」

「大丈夫よ、うち兄弟多いから」
「そうゆう問題では・・・・」




「これは養育費としてもらっとくわ♪」

ムチュ


「!!!!」



「ひぃ!な、何をするんだ」

「何よ、キスしただけじゃない!」



「き、キスって・・・・
そんな軽々しくしないでくれないか!?」

「軽々しくって・・・・どんだけ純情なの」





「それじゃ、経過は後日教えてあげるわ!」

「け、経過って・・・・」





「(フフフ、これでアタシを忘れられないわね!)」

「・・・・・・・・・」












「フンフ〜〜〜ン♪」

シャアアア



「フフフ、これでアタシの結婚も近づいてきたわ♪」