第五話「救出」

「ねぇ待ってよ、兄貴〜」




「なんだよ、お前もくんの?」

「う、うん。やっぱり心配だしさ・・・」




「じゃ、行くぞ」


「え、どこに行くの?」

「わかんねぇけど、プレジャ姉がよく行く公園に行ってみようかと・・・」


「あ、そっか!」










「いねぇな・・・」

「ねぇ兄貴、市役所前に人がいっぱいいるよ!」




「誰かに聞いてみるか・・・」

「あ、待ってよ〜」








キンドルさ〜ん!」

「あら、アッサムくん」



「どうしたの?こんな夜遅くに
もうすぐ門限の時間よ?」

キンドルさん、プレジャ姉を見ませんでした?」


「プレジャ?帰ってないの?」


「はい」





「そうねぇ、昼間はそこの公園広場で演奏してたけど
それからは見てないわねぇ」

「そうですか・・・・」




「あ、でも待って?
確か男の子達に話しかけられていたわね・・・・」

「男・・・誰ですか?」


「えーと待って・・・・、あの人達は確か・・・・・」






「あっ、思い出したわ!森よ!」


「森?」

「そう、森に住んでる人達よ!」




「男三人で一緒にいるのをよく見かけるわ。
その子達がプレジャに話しかけていたのよ」

「アタシのプレジャに!


アタシのプレジャに男がっ!!


話かけていたのよっ!!!!



「そ・・・そうですか・・・・・」






「(アタシのプレジャってどういう事だろう・・・)」


「(それにしても、この人僕より黒いな・・・
暗いせいか顔が見えない・・・・・)」





















「この女、なかなか起きねぇな」

「どうする、このまま襲うか?」


「バカヤロウ!そんなの紳士のする事じゃねぇ!!」


「いや、こんな事してる時点で紳士じゃねぇと思うけど・・・」


「ね、寝顔かわいいなぁ・・・・」









「うわぁ〜、ホントにここなの?」

「たぶんな、お前はここで待ってろ」


「う、うん・・・・」






「わかった・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!」



「ひ、ひぃ〜・・・・・こ、こわいよぉ〜〜」

「あ、兄貴・・・・早く帰ってきて・・・・・・!」







「おじゃましまーす!」


「うおっ、誰だテメェ!」

「勝手に入ってくんじゃねぇよ!」



「えーと・・・」





「ふあぁぁああぁ〜〜」


「あ、いた」

「オイオイ、オメェいまさら起きてんじゃねぇよ!」




「てか、お前ダレだよ!さっさと出てけよ!」

「プレジャ返してもらったら帰るよ」


「はぁ?バカかお前、誰が返すかっての」




「ほら、お前こっち来いよ」


「きゃっ、誰よアンタ達・・・!」

「こ、ここどこよ!?」



「プレジャに触んじゃねぇよ!」


「わっ、何す・・・・」

「あ、アッサム!」


「お、始まっちまったか」


「じゃあコッチも・・・・さぁおいで〜子猫ちゃぁん♪」




「きゃあ、やめて!触んないでよ!!」

「うお、何すんだよ。
わざわざオメェが起きんの待っててやったってのによぉ」


「しらないわよ!」




「あっ!アンタ達昼間の・・・!
ま、まさかアタシを誘拐したの!?」

「バ、バカ言ってんじゃねぇよ!
ちょっと眠らせて家まで運んだだけじゃねぇかよ!」


「それを誘拐と言わずしてなんだと言うのよっ!」




「誘拐じゃねぇ、ちょっとさらっただけだって!」


「同じよ!も、サイッテー!!」

「プレジャ!逃げろ!」





ボカッ  スカッ



「アッサム!」


「おっと逃がさねぇよ!」

「ちょっとどいてよ!」


「せっかく連れてきたんだ、むざむざ帰すわきゃねぇだろ!」




「あ、そう!じゃあ私もアンタ達全員ひっかいて
堂々と帰ってやるわ!女怒らせたらコワイって事
思い知らせてやるんだからーーー!!」

「お、おぉ・・・
強い女はスキだが、怖い女はイヤだな〜
おい、チョウ!つっ立ってねぇで手伝えよ!」



「なんか、外からピーピー音がすんだけど・・・」


「あ?」





ピーーーー ピーーーーー!



「何時だと思ってるの!?出てきなさーーーい!」



ピーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!





「いててて・・・・・」


「あ、キリーがやられた」

「プレジャ返してもらうぜ!」




「もういいでしょ?どいてよ!」

「どくよぉ」




「行くぞ、プレジャ!」

「うん!」




「いいんスか、リュウさん?」

「しょーがねぇだろ、サツが来ちまってんだから・・・」


「そーッスけど・・・」




「それよりアイツ彼氏かな?」


「さぁ、どーなんスかね」

「おいおい、二人とも誘拐がバレた時のこと考えろよ・・・」




「うるせぇ、サツのことより女の事だ!」


「もったいない事しましたね・・・」


「おぅ・・・、もうちょっとだったのにな・・・・クスン」

「お前らバカだろ」













「待ってよアッサムー!」

「早く来いよ!」



「あなたたち、こんな夜遅くまで
こんな所で何やってるの?」

「すんませーん」




「ちょ、ちょっと待ってよ!」



「早く来なさい!」

「は、はい!ごめんなさい!」





バタンッ



「あれ、ダージリンも来てくれたの?」


「う、うん・・・
ねーちゃんが心配だったから・・・・
無事で良かったよ・・・」


「そっか、ありがと」












「あなたたち、あまり夜遅くまでこの森にいるのは危険よ!
この辺は不審な人がウロついてるからね」

「はーい」







「ところで兄貴、市役所前で話ていた女の人ってダレ?」

「あぁ、キンドルさん?プレジャ姉のカノジョだよ」


「へぇ・・・・
え、カノ・・・・ジョ・・・?」






「ヤダ!アンタこんな所で私のカミングアウトしないでよ!」

「別にいいじゃん、
キンドルさんがプレジャ姉の居場所教えてくれたんだし」


「まぁ、フレイお姉様が私を?フ、フフフ・・・・♪」



「・・・・・・・・」








「ヘ・・・ヘンタイが二人もいた・・・!」

「なんだとぉ!」 「なんですってぇ!」


「ひぃ!」