第3話「問題児のイカレた執着」


ドン家




「か・せ・り・ん!!」



「今何時ダト 思ッテルノデスカ?」

「ティ、ティム・・・・
そのコブシで殴ったら、あたし死んじゃうよ!!」



「アナタニハ オ仕置キガ 必要デスネ!」

「な、何する気!?」





「家事ヲ 手伝ッテクレレバ、許サナクモ アリマセン」

「家の手伝いをしろって事?」





「・・・ボソ・・・そんなの毎日してるし」





「ワカリマシタネ?
デナケレバ、家カラ出シマセンヨ!」

「えっらそーに・・・
ティムめ、覚えてなさいよ!!」






その頃のパッチは・・・・

グースカ寝ていた。








「・・・・覚えてなさい・・・か」




カセリンは、さっきの怖い目にあわせられた
男の子の事を思い出してしまった。




「まっすぐ帰れば良かったな・・・・」

「そうすれば、ティムに怒られる事もなかったし・・・
あんな事も・・・・・」




「それに、カルロスくんにも悪い事しちゃったな・・・」

カセリンは、今日あった事を色々思い出しながら
朝まで数時間しかないが、眠りについた。











翌日、




「カセリン、お父さんが賞貰ったんだって?
良かったね♪おめでとう!」

「ありがとう!」



「こんな事なら、お前と付き合えば良かったゼ」

「ちょっとボブ、私じゃ不服だって言いたいの?」


「アハハ」




「そういやカセリン、カルロスの家に行ったんだろ?」
「うん・・・」

「スゴイ家だったろ?金持ちだもんな、アイツん家」



「彼氏は金持ちだし、お父さんは発明で成功して世間から
認められたし良い事ばかりじゃない!
ホント良かったわね、カセリン!」

「前からよく言ってたもんね。
『うちが貧乏なのは、お父さんが発明ですぐお金
使っちゃうからなんだ。
だから、あたしは金持ちの男性と結婚するんだ!』って。」




「夢叶ったじゃない!
カルロスくんと上手くやりなさいよ!」

「う、うん・・・。」




カセリンは少し複雑な気持ちだった。













「ね、それよりさボブ・・・・」
「ん?」

「あそこで話してる人達って・・・・」


「あぁ、あの不良グループには気をつけた方がいいよ」




「とくに、あの真ん中のギルバートって奴には
近付かない方がいい・・・」

「一度狙った獲物は逃がさないって噂だ・・・
狙われたが最後、二度とソイツの姿を見る事はないらしい・・・」



「へ、へぇ〜・・・・」

「てか、なんかアイツこっち見てない?」


「さ、さぁ・・・」

「いや、見てるって・・・
お、俺なんかしたかな・・・?」


「ぼ、ボブじゃないと思うよ・・・」



「てめスーリ、もう許さねぇ!」
「おっ、てめーケース。俺を殴るつもりか?」

「ギルバート、見ててくれ!おれっちの融資を!!
「アホか!お前どこに融資すんだよ、勇姿だろ!」


「・・・・・・・」







「わっ、き、きた!」

「・・・・・・・・」




「カセリン、どうしたの?」

「あ、あたし・・・帰る!」


「え?」



ダッ

「まて、テメー!!」




カセリンは全力でその場から逃げだした。











しかし、どこまでもギルバートが追いかけてくる。




「はぁはぁ・・・」

「まてコラーッ」



「クソッ、やっぱ速ぇ〜」




「はぁはぁ・・・」

「もう、どこまで追いかけてくるのよ!!」



「お前が止まりゃあいいんだよ!」










公園





「はぁはぁ・・・」






「もう冗談じゃないよ・・・・」

「しつこいったら・・・・はぁはぁ・・・」










その頃、フィニーは




何故かカセリンに、危険な臭いが迫っている事を察知し

カセリンの元に急いでいた。




「ワンワン!(お嬢〜〜〜!!)」





「(お嬢、安心してくだせぇ!
今ワシがお嬢の元に行きますけん)」




















一方、カセリンを見失ったギルバートは・・・



「・・・・ッチ、また逃がした」



「なにモンだ、アイツ・・・」

「これはもう、俺に対しての挑戦だな」



「受けて立ってやる!
次こそは逃がさねぇからな!!」






その頃、フィニーは公園間近まで来ていた。

「(お嬢、無事でいてくだせぇ!)」




「ん?」

「(ムッ、お前か?ワシのお嬢を危険に晒す輩は!)」





「ワンちゃんだ・・・・」

「カ、カワイイなぁ〜♪」



「おーい、ワンちゃぁ〜ん!どこ行くの〜」

「(な、なんじゃコイツは・・・)」






「あっ、アレ・・・?フィニー!?」






「ダ、ダメ!フィニー!!
ソイツに近付いちゃ・・・!!」





「俺、ギルバートっていうんだ。
君は?」

「ワゥ?(ワシはフィニアスっちゅうモンじゃ。
主人からはフィニーと呼ばれとる)」



「へぇ〜、カワイイ名前だなぁ。
よしよし、おいで」

「クンクン(兄ちゃん、いい匂いがするな)」



「(兄ちゃん、ワシの事好きかい?
ワシも兄ちゃんの事キライじゃないぜ。デヘヘ)」

「お前、どこの犬だ?」



「(それはそうと兄ちゃん、ワシのお嬢をしらんか?
ワシが行かなぁ、今頃泣いておるかもしれんのじゃ)」

「この近くの家の子なのかな?」



「・・・・・・・・」

「・・・な、なんか大丈夫そう・・・」




「クゥ〜ン(兄ちゃん、そろそろワシを離してくれんかのぅ。)」

「なんだ?もう帰るのか?」



「(すまんのぅ、ワシにもやらなぁいけん事があるんじゃ)」

「そうか、それじゃあしょうがないな・・・・」








「・・・・・・・・・」

「ワン!(お、お嬢!ご無事で!)」



「・・・・ソレ・・・あたしの犬・・・・
フィニーっていうんだ・・・・」

「・・・・・・・・」



「ふぅ〜ん・・・・・」

「クゥ〜ン(兄ちゃん、楽しかったぜ!またな!)」







「・・・・・・・ブサイクな犬」





「・・・・・・・・」

「ウォ〜ン(ブサイクじゃって!ブサイクじゃってぇ!)




「・・・・さっきフィニーの事、カワイイって言ってなかったっけ。」

「ウォ〜ンウォ〜ン(しらん、あんなガキ!キライじゃキライじゃ)」





「・・・・ツ、ツンデレ!?」