第一話「姉の彼氏」
「ちょっとアッサム!どこ行くのよ?」
「なんだよ、リル姉」
「なんだよじゃないわよ!あんたこの間、男同士でキスしてたでしょ!」
「やめてよね、外でそうゆう事するの! 恥ずかしいったらありゃしない!
変な噂たったらアンタのせいなんだからね!」
「ムッ!」
「なんだよソレ、リル姉には関係ねーだろ!」
「同じ家に住んでるんだから関係なくないわよ!
いい?次そんなコトしてたら承知しないから!!
まったく、世間様に知られたら白い目で見られるのはあたし達なんだからね!」
「ふざけんなよ!リル姉にそんな事言われる筋合いねーっての!
そんなん見る暇あったら彼氏がなんの特質なのか確認しろよな!」
「なによソレ・・・」
「ねーちゃんの彼氏にカツアゲされたんだってーの!
自分の彼氏がたかり屋だって気づけよなー!?」
「アンタ、嘘言ってんじゃないわよ!」
「こんな嘘付くわけねーだろ!
ねーちゃんの彼氏だからってずぅずぅしいんだよ!
ねーちゃんの責任なんだから俺の金返せよ!
俺の金ぇー!返せ返せ、返せよー!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ!」
「わかった、わかったってば!」
「・・・・ホントなんでしょうね?」
「ホント」
「・・・・いくら取られたのよ?」
「・・・・・・嘘じゃねーし(嘘)」
「二人とも何を騒いでいるんだ?」
ギクッ
「・・・ボソ・・・もぅ、アンタが大声出すから父さんが来ちゃったじゃない!」
「・・・俺のせいじゃねーし」
「何で騒いでいたのか大体わかっているよ」
「実は父さんもリルの彼氏にたかられちゃってね。
困ったもんだよ、彼女の父親にまでたかるなんて・・・」
「父さんにもお金返してくれると助かるんだが・・・」
「あれ、父さんも仲間だったんだ」
「と、父さん・・・」
「はいはい、もーわかったわよ!ちゃんとあたしが払いますよー」
「リル、そうヤケになるな」
「そうそう、そのうち良い特質の人が現れるって」
「・・・・良い特質限定かよ」