第23話「犯罪に手を染める少年」



ギルバートの実の父親、
ロドリゲスの住む家



そして、ギルバートが売られる前に住んでいた家・・・・






パッチとカセリンは、ギルバートを尾行し
この家に辿り着いていた・・・・。

「ほぉ〜、ここがギルバートの親父がいる家か?」




「パパ、静かに・・・!
ギルバートに見つかっちゃうでしょ!!」







「う・・・・、クソ・・・・・」

「・・・・・もう決めただろ・・・!」




「迷うな・・・!コイツさえ、いなくなれば・・・・
俺は自由になれるんだ・・・・!!」

「迷うんじゃねぇ・・・!!」









「クゥ〜ン・・・?(何故泣いとるんじゃ、にーちゃん)」

「グス・・・・、フィニーの声が聞こえる気がする・・・・。




(最後にフィニーを抱いてから来れば良かったな・・・・)」









「これでいいんだ・・・・」

「・・・・俺やっぱり、幸せとかとは無縁の人間なんだよ・・・・」







「ギルバート・・・・、パ、パパ・・・
ギルバート何するつもりなんだろ・・・・?」

「・・・・・・・・・・・」




「パパ・・・・」



「!」





「はぁ〜・・・・はぁ〜・・・」

「・・・・・・・・」カチ



「出てくるなよ・・・・」

「・・・・・・・・」




「あれって、前にも・・・・・」

「・・・・・あのバカ・・・・!」






ボオォォ〜〜〜





「・・・・よし、後は逃げるだけ・・・」






「ギルバート・・・・!」

ビクッ




「あ・・・・・、お、おっさん・・・・?
どうしてここに・・・・」

「ギルバート、お前・・・・・」





「(・・・・バレちまったか・・・・)」























「ギルバート、お前・・・・
あの家を燃やす気だったのか?」





「・・・・そうだよ」

「お前の父親がいる家か?」




「うん・・・・」




「そこまで思い詰めてんなら、なんで俺に相談しねぇんだよ!
俺は一応お前の保護者って事になってんだから、
復讐するなら俺通せよな・・・・!」

「復讐じゃねぇよ・・・・」






「アイツをあのままにしてたら、ダメなんだ!
ほっといたら何するかわからない・・・・!!」

「俺はまだ・・・・・・・・。
この町にいる限り、アイツの金づるなんだよ・・・・!」





「だから、あのクソ親父をこの世から消そうとしたんだ・・・・!!」

「・・・・・・・もしかして、前に家出した時・・・
父親から離れたかったからなのか?」




「うん・・・」



「はぁ〜・・・、なら早くそー言えよな〜!
まぁ、なんとなく気づいてたけどよ・・・・」

「犯罪犯す前にカセリンが気づいてくれて助かったぜ・・・!
危なくお前を前科者にしちまうトコだった・・・・」




「・・・・・・・・・」









「悪いけど、もう決めたんだ・・・・。
アイツをこのままにしてはおけない・・・・!」

「ギルバート・・・、お前・・・・」






「ギルバートがそんな事する必要ないよ!!」

「!!」






「ギルバートはあたしより、
捨てたお父さんの方が大事なの!?」

「おいで!ギルバート!!
あたしの所に帰っておいで!!」








「・・・・・・・・・・・・」










ダッ



















だきっ




「・・・・よしよし」



「・・・・・・・・」






「ギルバート・・・・!」

「・・・・・・・・・・」





「(え〜と・・・・・・・・・)」




「・・・・・・・・・・・、



(ま、今回はしょうがないか・・・・)」

「・・・・・・・・・・・・」





「・・・・・・・・・・・・・・・、








(二人ともわかってる?お父さんの前だよ・・・・?)」

















ドン家










「ギルバート・・・」

「ん・・・・?」



「お前にはワリィけど・・・、
お前の親父をこのままにするつもりはねぇよ」

「お前にここまでさせたんだ・・・・・
俺は許すつもりはねぇから・・・・」



「うん・・・、俺に悪く思う必要なんてないよ。
俺は消そうとしたんだし・・・・」

「フッ・・・、
じゃあ望み通り消えてもらうとすっか〜〜」





「・・・・・・・どーすんの?」

「ん〜?まぁ、金のために自分の子供を売る奴だ・・・。
俺に任せときな!!」



「とりあえず、明日起きたら
学校行けよな・・・!」

「その間にカタはつけとく・・・・」






「・・・・・わかった。」

「・・・・・・・・、



おっさん・・・・・」









「来てくれてありがとう・・・・。」




「お、おう・・・・。」































朝になり、カセリンとギルバートはいつも通りバスに乗り、
学校へ向かった・・・・。





「ギルバート、早く!」




「おぅ・・・・」








ピッポッピ・・・・





プルルルルル・・・・・




「あいつの電話番号変わってねぇよなぁ・・・?」













「久しぶりだな、パッチ・・・」





「8年ぶりかな・・・・」

「君から連絡をもらうとは・・・・、
何かあったか?」




「あ〜、実はさ〜〜
俺の息子にちょっかい出してるいけ好かないおっさんがいてよぉ〜」

「実はカクカクしかじかでさ〜〜〜〜」




「ほぉ、君に子供がいたとはな・・・・」

「ふむふむ・・・、父親が金のために子供を・・・・」




「実はこの間、人身売買を行っていた奴らを捕まえてね・・・・
君のいるリバービューの方でも、活動してたと情報があった・・・・」

「まさか君が買い取っていたとは思わなかったが・・・・」




「ほとんどが騙されたり誘拐されたりが多いが、
まさか実の子を売るような人間が、平和で穏やかなリバービューにいたとはな・・・・」

「あぁ、任せておけ。
君の父には何かと世話になっているからな、
こちらで処理をしておこう・・・・」








ピッ



「・・・・ふぅ、完了したら
報告するって言ってたな・・・・」









ピッ






「あぁ、私だ。
仕事を頼みたい・・・・」






「あぁ、今すぐリバービューに飛んでくれ。
・・・・・あぁ、例の件だ。」

「詳しい事は後で書類を送っておく、
確認してくれ。」





「・・・・私?私は今休暇でバカンスに来ているのだ。」














リバービュー








ピンポ〜〜〜〜ン




「ったく、小汚ねぇ所だな・・・・」





クスクスクス・・・・







「ブッフーーーッ!ちょ、これ・・・・!!」

「おい、この史上最強のBAAKA!!
仕事中に遊んでんじゃねぇよ!!」





「ったく、おっせーなぁ!
さっさと出て来いよ!!」

「いるんだろー?」





ガチャ





「あぁん?誰だ?こんな時間によぉ」






「ロドリゲス・ロップスさんですね?」

「なんだ、テメェら・・・・」






「アナタ、人身売買の協力したでしょう?
犯罪ですよ」

「!! テメェら、サツか!?」ダッ





「こんな警察いませんよ」

「な、なんだお前・・・・どけよ!」




キエーーーーーーーーー!!

キエッキエッキエッ





「うわっ、な、なんだヤメロ!!」

きえぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!









ドタッ・・・・





「おぉ、よくやった!」

「最初っからお前の奇声超音波で眠らせりゃあ、
こんなパゲと喋らなくても良かったんだ・・・・」






「・・・・ッチ、それ考えるとマヌケだな、アタシ・・・・」

「姐さん・・・、泣かないで・・・・」


「うるせぇやいっ!」グシッ






「とりあえず、コイツ連れて
とっととズラかるぜ!」

「うぃ〜〜〜」








ロドリゲス・ロップスは謎の団体によって
リバービューから姿を消した・・・・。